無意識の習慣を見直して、調子のいい体に

体の使い方はほとんどの場合、「無意識」の働きによって行われ、私たちが意識していない間に体は勝手に動かされています。

例えば、車の運転を考えてみましょう。

教習所に入り、車両での実習を始めた頃は、アクセルを踏む、ブレーキを踏むといった基本的なことですら意識しないとできません。

しかし慣れてくると、スピードを出すのも、ブレーキを踏むのも、ほぼ反射的に無意識にできるようになります。これは、意識して練習したことで、無意識に行えるようになったことの一例です。

初めてのことをするときなど、意識して物事を行うと脳はとても疲れますが、無意識で行うことに対しては、脳はほとんど疲れを意識しません。

物事を習得していくプロセスは、意識して練習を繰り返し、次第に無意識で行えるようにすることです。

無意識に行えるようにすることで、脳はエネルギーを消費しないで済むので疲れにくくなります。

これは、脳が効率的にたくさんの情報を処理していくために必要なことなのです。

しかし、無意識によって習慣化された動きが道理にかなっておらず、一般的なルールから逸脱していると大きな問題となります。

たとえば運転しているとき、左右の安全確認をせず、ウィンカーも出さずにハンドルを切る習慣が身についてしまったらどうでしょう?

もちろん事故の要因になりますよね。

実は体の使い方にもルールがあります。

しかし、残念ながら体の使い方については、教習所のように正しく系統立てて使い方を教えてもらう機会はなかなかありません。

そのため、多くの方が体の間違えた使い方を習慣化してしまっています。

体は、間違えた使い方を続けると傷んでいきますし、不快な症状に悩まされるようになります。

一方で、よい使い方をできるようになれば、体調がよくなるだけでなく、不快な症状が改善していくようになります。