マスクによる肌トラブルの対応法

2020年は新型コロナウイルス感染症の流行によって、仕事のスタイルが変わり、テレワークやオンラインでの打ち合わせが増え、日常の生活様式も大きく変わりました。

人ごみを避け、3密(密集・密着・密閉)にならないよう気をつけるようになりましたし、手洗いやアルコールでの手指消毒を徹底し、一日中マスクを着用するようになりました。

アトピーで悩んでいたり、皮膚の敏感な方にとっては、コロナ禍での新しい生活様式は、肌トラブルを悪化させる要因になっています。
今回は、マスクによる肌トラブルとその対策についてお話ししましょう。

ニューノーマルな生活の中でマスクを長時間着けるようになり、肌トラブルが増えてきています。具体的には、吹き出物やニキビ、肌荒れや湿疹、肌の乾燥やカサツキなどです。
要因としては大きく3つ挙げられます。

(1)マスクによる摩擦
マスクの素材は、使い捨て用は化学繊維から作られた不織布が多いですが、肌に合わないことでカブレ(接触性皮膚炎)を起こすことがあります。
また、肌が弱い方の場合は、マスクによる物理的な摩擦の刺激によって擦れて肌荒れが起きてきます。繰り返される刺激によって炎症がおきると皮膚のバリア機能が低下していくので、乾燥しやすくなっていきます。

(2)マスクによる蒸れ
マスクを着けていると、吐息によってマスク内は高温多湿の状態になり、ニキビを引き起こすアクネ菌などの細菌が繁殖しやすくなります。

(3)マスクによる乾燥
マスクを着けていると吐息によって加湿されていると感じますが、マスクを外し外気に触れると、マスク内の水分が蒸発するとともに肌の水分も一緒に持っていかれるので肌が乾燥していきます。また、マスクの刺激によってバリア機能が低下していくと肌は乾燥しやすくなります。

対策法を3つ挙げましょう。
(1) マスクの生地を見直します。
通常の使い捨てのマスクは不織布という化学繊維から作られていますが、肌に優しいガーゼやコットン、シルクのものにしましょう。感染対策として使い捨ての不織布マスクは便利ですので、不織布マスクを使う場合は、不織布と肌の間に同じ大きさのガーゼを挟むのもよいでしょう。

(2)汗をこまめに拭く
マスクをすると熱がこもって口周りに汗をかきやすくなります。また汗をかいた状態を放置するとかゆみの原因になり、汗が乾くときに余計に肌が乾燥します。吸水性のよいガーゼやタオルでこまめに拭くとよいでしょう。

(3)スキンケアで保湿する
マスクをして肌が見えないからといってスキンケアをしないと、肌のバリア機能が低下して乾燥しやすくなります。
まず保湿ローションで水分を浸透させ潤いを与え、保湿クリームで肌を保護して水分の蒸発を防いでいきます。クリームでも乾燥する場合は、ワセリンなどの油分が強い保湿剤を使うのもよいでしょう。ワセリンは塗りすぎると熱がこもりやすくなるので、肌の調子をみて調整するとよいでしょう。

コロナ禍での新しい生活様式ではマスクが欠かせなくなった一方、マスクによる肌トラブルが増えています。ニューノーマルな生活に合わせたスキンケアをしっかり行い、対策していきましょう。