12月の冬至を過ぎると日の長さが少しずつ長くなり始めますが、日中の気温は下がっていき、1月から2月にかけては最も寒い季節になります。気温、湿度ともに、一年間の中で一番低くなります。
気温が下がり、湿度が低くなると、空気が乾燥していきますので、肌は乾燥してガサガサになりやすいですし、肌のバリア機能が低いと余計に乾燥しやすくなります。
さらに、暖房をつけて部屋を暖めると空気の湿度が下がるので、余計に乾燥します。
また、寒さで冷えると体温が低下するので、血液循環が悪くなり、老廃物が排泄されず皮膚の新陳代謝が悪くなります。
肌が乾燥しないために、肌の一番表面である角層には3つの保湿因子があります。
この角層の働きが、肌の潤いを保つためにバリア機能として重要な役割をしています。
【潤いを保つ、角層の3つの働き】
(1)皮脂膜
角層の表面にある油分で、肌からの水分の蒸発を防ぐ役割があります。肌にある皮脂腺から分泌される皮脂と汗腺から分泌される汗が混ざっています。皮脂は、脂肪酸やリン脂質、スクワランなどからなり、汗には水分と塩分が含まれています。つまり皮脂膜は、水と油の混ざった肌を乾燥させない膜になります。
(2)天然保湿因子(NMF)
NMFは角質細胞の中にある保湿成分で、アミノ酸やPCA(ピロリドンカルボン酸)、尿素や乳酸などからなります。水溶性で皮膚の保湿成分です。
(3)細胞間脂質
細胞間脂質は、肌の表面にある角層の細胞と細胞の間にある脂質のことをいいます。油になるので水に溶けない脂溶性になります。セラミドや脂肪酸、コレステロールなどから作られ、約半数をセラミドが占めています。
細胞間脂質は、角質細胞同士をつなぎとめる役割があるため肌のバリア機能にとても大切な役割があります。
これらの保湿成分は、自分の肌の新陳代謝の過程で作られます。
肌の新陳代謝であるターンオーバーはおよそ一か月で行われますが、冬の季節は気温が寒くなり、肌の表面の温度が下がり血液循環が悪くなると、肌の入れ替わりである代謝が十分に行われなくなり、保湿成分が不足し、乾燥しやすくなります。
対策としては、肌の中と外から乾燥対策をしましょう。
外からのアプローチとしては、保湿をしっかり行います。保湿ローションで水分をしっかり補給するとともに保湿クリームで油分を補給し、皮膚になじませていきます。
体の中からのアプローチとしては、冷えがちな体温をコントロールすることが大切です。温かいお湯に入浴をして体の芯まで温めることや、ショウガやニンジン、カボチャなど体を温める食材を上手に使って鍋などにして摂取するとよいでしょう。
気温と湿度が下がる2月は、いつも以上にしっかりとスキンケアをして水分と油分を補っていくことが大切です。また、外からのスキンケアだけでなく体の中からも血液循環をよくして肌がよくなるような対策を行なっていきましょう。