立春が過ぎ、梅の花が咲き始め、だんだん日差しも暖かくなって春がもう目の前にきている3月は、花粉症があり、肌トラブルがある方にとっては、一年で最も鬱陶しく、ツライ季節であるかもしれません。

花粉症がある方は、鼻水やくしゃみが止まらなくなったり、目ヤニや涙が止まらなくなったり、目が充血したりかゆくなったりします。コンタクトを着けている方は、かゆくなってつけられないこともあるでしょう。
また、花粉症のような目や鼻の症状がないにもかかわらず、肌がかゆい、湿疹ができる、肌が赤く腫れあがる、ヒリヒリした肌の痛みがある、肌が乾燥気味になる、などの肌トラブルが起きて、皮膚科クリニックへ相談にいかれたことがあるという方もいらっしゃるでしょう。
症状が起きる部位は、肌が露出した部分に多く、とくに肌が柔らかい目の周りや頬などの顔や首周りです。
原因は、春に飛散するスギやヒノキなどの花粉による肌への刺激で、直接花粉が触れる部分に多く、花粉症による目や鼻の症状がない方にも起きることがあります。
肌が丈夫な方は、花粉が肌についてもかゆくならないので、体質的にアレルギーがあったり、アトピーがある方に肌トラブルが出やすい傾向があります。また、バリア機能が低下した弱った肌は、花粉の刺激に対して敏感に反応しますので、症状が起こりやすくなります。
男性よりも女性のほうに症状がでやすい傾向があり、化粧やメイク落としなど、毎日繰り返される肌への刺激によって、肌のバリア機能が低下しやすくなることも関係しているでしょう。
対策としては…
(1) 花粉の刺激を最低限に抑える
できるだけ花粉が直接肌につかないように気をつけましょう。外出するときはマスクだけでなく、帽子やメガネなどを使って花粉が付着しないように対策します。また、帰宅時には、上着の表面についた花粉をブラシなどで払い落してから家の中に入るようにしましょう。
(2) 肌のバリア機能を保つスキンケアをていねいにする
洗顔や入浴の時に、肌についた花粉や汚れを洗い流した後は、しっかりと保湿をします。洗う際に、ゴシゴシと肌をこするとバリア機能が低下するので、泡で優しく洗い流しましょう。
(3) 顔の筋緊張をとり、肌の過敏さをとる
悪い姿勢が続くと、首や肩だけでなく顔の筋肉も緊張します。また首や肩の緊張は、顔面の血液循環が悪くなり、肌の代謝にも影響します。日常の姿勢に気をつけ、ストレッチや運動をして、花粉の刺激に負けないように体を調整していきましょう。
花粉が飛散する季節に、鼻水や目のかゆみなどの花粉症の症状がなくても、皮膚がかゆくなったり、湿疹ができたり、ヒリヒリする症状が起きるときは花粉皮膚炎が考えられます。
花粉対策とともに、肌のバリア機能を高めるスキンケアをしっかり行って対策しましょう。