暑い季節のスキンケア

季節によってスキンケアは変えていますか? 暑い季節は肌トラブルが起こりやすいので、肌の調子をみながら、スキンケアを変えてみましょう。

季節の変わり目の「にきび」はスキンケアの見直しサイン

皮膚にトラブルがあると、ローションやクリームを塗ったり、薬を塗ったりしてスキンケアをしていることでしょう。
アトピーで悩むと、肌に合う外用剤や保湿剤がなかなかないため、一度合うものや気にいったものができると一年を通してつけることが多くなります。

アトピーは、肌の調子がよくなったり悪くなったりを繰り返す皮膚のトラブルですから、ステロイド剤を外用しているときは、肌の調子に合わせて外用剤の強さを調整していきます。
調子がよいときは外用剤のレベルを弱くしていくことができます。逆に調子が悪いときは、外用剤をつけてもかゆみや湿疹が治まらないので、強いランクにして症状を抑えようとしていきます。安定しているときは、いつもと同じ外用剤を処方されがちになります。

しかし、同じようにみえる皮膚の状態で、湿疹ができ、炎症が起きていて乾燥していても、夏の皮膚と冬の皮膚とでは、乾燥の程度は実は違います。
また、冬は乾燥し、夏はジメジメとする東京での空気に含まれる湿度は、冬と夏とでは大きく異なります。

皮膚科で処方する外用薬は大きく分けて、「軟膏タイプ」と「クリームタイプ」に分かれます。保湿剤には、「ローションタイプ」が加わります。
ほとんどのステロイド剤には、軟膏とクリームタイプの2種類あり、頭皮用にはローションもあります。

保湿剤には、軟膏タイプの代表選手に「ワセリン」があり、石油から精製した油脂で、精製度のレベルの違いで「プロペト」や「サンホワイト」があります(ワセリン<プロペト<サンホワイト)。
クリームタイプには、「ヘパリン製剤」(ヒルドイド、ビーソフテン)か「尿素製剤」(ウレパール、ケラチナミン)があり、ローションタイプには乳液タイプのヒルドイドローションや化粧水タイプのビーソフテンローションがあります。またヒルドイドフォームは泡状となり、油分を含まないのでサラッとした使用感です。

スキンケアの基本は、
(1)皮膚を清潔に保つため洗浄する
(2)水分の保湿
(3)油分の保湿
で、そのあとにステロイド剤などの薬剤を外用します。

皮膚をきれいに洗浄したあとに、化粧水やローションで水分の保湿をしたあと、クリームや軟膏で油分の保湿を行う流れです。

暑い季節のスキンケアとして、油分が多いもので保湿をしてしまうと、皮膚がベタベタしてかゆみを引き起こすだけでなく、皮膚から水分の蒸発も阻害されるため、熱が体内にこもりやすくなります。
そのため、油分が多い軟膏タイプを使っていたらクリームタイプに、クリームタイプを使っていたらローションタイプに変更していきます。

春から夏への季節の変わり目に「にきび」ができてきたときは、肌の状態とスキンケアの油分のバランスが合っていない場合があるので、調整するとよいでしょう。
また、亜鉛華軟膏に含まれる酸化亜鉛には、抗炎症効果とともに患部の浸出を吸収して乾かす作用があるので、通常のスキンケアに少量、亜鉛華軟膏を混ぜてつけると、肌の調子がよくなることもあります。

皮膚の健康レベルが上がっていくと、かゆみが治まるだけでなく、皮膚の調子がよくなっていきます。ですが、調子がよくなっていると思ったにもかかわらず、急に「にきび」ができることがあります。
皮膚の健康レベルが上がると、皮膚の代謝がよくなっていくため以前よりも乾燥しなくなっていきます。そのため、乾燥が強かったときと同じ外用剤やスキンケアをしていると、肌の調子と油分バランスが合わなくなり、「にきび」ができてくるのです。スキンケアの水分と油分バランスを調整すると、じきに治っていきます。
スキンケアは、季節によって、肌の調子を見ながら調整するようにしましょう。